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妊娠が発覚したダニエラさん。
ギンガとの愛の結晶ともいえるお腹の子ですが、プロポーズの言葉に甘えて彼ををダニエラの人生に巻き込むことはできません。
逃げるように、フィオナ、ベロニカとともに住み慣れたピンクハウスを離れ、遠くの街へ引っ越すこととなりました。

とはいえ。
ダニエラの体調のこともありますので、引越しは迅速にやらねばなりません。
翌日、妊娠中のダニエラを家で休ませて、フィオナは物件探しに不動産屋を回ることにしました。
そういえば、以前ならばこんな諸手続きはすべてダニエラがやってくれて、フィオナは家でただ待っているだけでした。
今まで、どんなにかダニエラの世話になっていたのか……。
でももう今は違います。
フィオナ、ダニエラ、ベロニカの三人は家族なのだから、やれることはみんなで協力し、助け合わねばなりません。
特に、ダニエラが身重な今、自分が一番しっかりしなければ、と思うフィオナです。



さて、訪ねた不動産屋ではいくつかの物件を見せてもらいます。
そのうち、ダウンタウンの物件をまず除外するフィオナ。
前夜、ダニエラとも話したのですが、ダウンタウンはギンガもよく訪れる街ということもあり、ダウンタウンに引っ越すという選択肢だけはあり得ません。

次に紹介されたのは、新興の田舎街であるブルーウォーター村。
商業施設誘致に力を入れてるとはいえ、緑豊かなのどかな村で、住むにしても好環境の街です。


青水村


ここに店舗を構える人は、別の街に住んでる人が多いということで、住宅地は意外と少なめですが、その中で手ごろな広さの家を発見。
写真一番手前の平屋ですが、家族が4人に増えることもあって部屋数の多さを気に入ったフィオナは、この物件の購入を決定しました。
購入金額は決して安くはありませんが、ピンクハウスを売ったお金+貯金でなんとかなるでしょう。
契約を済ませたその足で、フィオナはピンクハウス売却のために、元の街に戻ることにしました。



その夜、家の売却&購入手続きをすべてすませたフィオナが、ダニエラに深刻な問題を打ち明けました。


相談


「あのね、ダニエラ。無事、契約をすませたのはいいんだけど、重大な問題が起きてしまったの」
「重大な問題? あたしはあんたが選んだ家なら、どんなに狭くても汚くても文句なんてないよ」
「ううん、そうじゃないの。実はね、このピンクハウスを売るとき、どうも売り急いでるのを不動産屋さんに気づかれちゃって……」
「足元見られて、買い叩かれたのかい?」
「うん……。ごめんね、ダニエラ。それで、買ったときよりも、すっごく安い値段でしか売れなかったの。今日中に売却するには、向こうの言い値を飲むしかなかったのよ」
「いいんだよ、フィオナ。あんたは精一杯やってくれた」
「でもね……。そうすると、ブルーウォーター村の新しい家の購入資金、貯金から出すしかなくなったの。そうしたら……貯金、なくなってしまったの
「…………」



フィオナの貯金は、この街にやってくるときに彼女の祖父から持たされた今後の生活費でした。
そのお金があったからこそ、フィオナはよそに勤める必要もなくこの家で、のほほんと暮らしていけたのです。

申し訳なさそうにしょんぼりするフィオナ。
考え込むダニエラさん。

やがて、ダニエラさんが顔を上げて言いました。


「フィオナ、心配しなくても大丈夫さ。何、働いて稼げばいいことさ」
「働く……って」
「金がないなら、働いて稼ぐまでさ。どこかに勤めてもいいし、店を出してもいい。ブルーウォーター村ならうってつけだしね」



店を出す!


そうです!
なぜ、今まで気づかなかったのでしょう。
物件探しで不動産屋に行ったとき、そこで「この村では商売を始める人には助成金が出るんです」という係の人の話を、フィオナは確かに聞いていたのです。


新たな展望


「お店! そうよ、ダニエラ。お店を開きましょう!」
「あはは、やる気になったね」
「そうよ、あの村では商売始める人に援助金が出るの。それを元手に商売を始めましょう!」
「でも、具体的になんの店をやるんだい? 店はあっても商品がなきゃ、商売にならないよ」
「うーん、そうねぇ。原価高いものは無理だし……」
「そしたら、サロン経営なんかはどうだい?」
「サロン?」
「毎朝、あんたの髪を手入れしているように、あたしは髪を結ったり、パーマかけたり、あとはメイクアップなんかも得意なんだよ。この技術があれば、サロン経営できると思ったんだけどね」
「す、すごいわ、ダニエラ! そうね、小さなサロンだったら、援助金でなんとかなりそう!」
「あはは、人間いざとなったらなんとかなるもんさ。あたしが店に立ってお金を稼ぐから、あんたは家で子供たちの面倒を頼むよ」
「いいえ、わたしにもダニエラの持つ技術を教えて! わたしも働きたいの。子供たちの面倒は交代で見るようにしましょう。ダニエラだけに働かせて、わたしは家で待ってるだけなんて嫌なの! ね? いいでしょ?」



子供がいるとはいえ、今まではおっとりとしたお嬢さん気質が抜けなかったフィオナ。
頼りないとばかり思っていた彼女の成長に、ダニエラさんも苦笑しつつ頷くほかありませんでした。

さっそく、サロン出店の話をベロニカに報告すると。


わーい♪

ベロニカ「お店やるの?! わーい、うれしいな~!!」


ベロニカも大賛成の様子ですね♪
彼女のほうも、今日学校へ行ってクラスのみんなにお別れの挨拶をしてきたとのこと。
でももう、お友達との別れよりも、新しい街に対するわくわく感のほうがおっきいみたいですが。




そして、翌朝。
フィオナたち三人は、ブルーウォーター村へと引っ越したのでありました。


新居


新居はシンプルな平屋建てで、ちょっと広めのポーチまであります。
夏はここでバーベキューなども楽しめそうです。

部屋数はピンクハウスと同じですが、一部屋がゆったりとした広さに恵まれているので、この先ダニエラの赤ちゃんが家族に増えても、これなら大丈夫そう。
貯金をはたいた甲斐がありましたね☆


やっと


ピンクハウスから持ってきた家具は最小限のものなので、今はまだ室内はがらんとしていますが、内装周りはおいおい揃えてゆくことにしましょう。
何しろ、サロン店舗も同時購入したため、今現在のデメント家の家計は非常に厳しい状況です。
手っ取り早く生活費を稼ぐためにも、すぐにもサロンの開店に向けた準備を進めなければいけません。
お腹が大きくなる前にダニエラさんがやっておかなくちゃいけないことは山積みです。



そんなデメント家ですが、さっそくご近所さんが歓迎のご挨拶にやってきてくれました。


ご近所さん


わざわざこの村にまでやってきた甲斐がありましたね。
新しい顔ぶれにほっとするダニエラさん。
これから気の合う友達や趣味の仲間なども増えてゆくでしょう。

とりあえず、新しい人生の第一歩は踏み出せました。
ギンガのことは心の隅に気にかけながらも、ダニエラさんはこの家族四人の幸せのためにも精一杯頑張ろうと、心に誓ったのでありました。


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